プロテクションフィルム(PPF)を車体に施工して、塗装を飛石や擦り傷といった外的要因から塗装を守り、より綺麗な状態で車を保持されたい方が増えています!
特に、高級車であればあるほど、この需要は高いです。
事実、大変興味がある情報をお客様からお聞きし実際にその中古車販売サイトを見たのですが、、、
中古市場で売られていた某有名スーパーカーブランドのある一台が、飛び石の傷が多いという理由で、相場から非常にかけ離れた低い値段で売られていました。
この一例からも分かる通り、飛び石などの傷が多いというのは車体の価値を下げるリスクが高いことを示しています。
さて、そんなプロテクションフィルム(PPF)ですが、よく皆様も耳にする情報があります。
それは、、、
「プロテクションフィルム(PPF)施工では、プレカット方式を採用しているため、カッターを一切使用せず安全です!」
といった情報です。
今回はカーラッピング・プロテクションフィルム(PPF)の専門店である当店ザラップが、
「プロテクションフィルム(PPF)施工ではカッターを本当に使用しないのか?」
「カッターを使用することは本当に危険なのか?」
「カッターを使用する施工としない施工ではどんな差があるか?」
こういった謎について詳しく解説していきます!
当店ザラップでのプロテクションフィルム(PPF)施工は、「車種」「施工箇所」「車体(塗装)の状態」「お客様がお車に乗る頻度」「保管環境」など全てを吟味した上で、おすすめさせて頂くフィルムのメーカーやフィルムを貼る箇所、またフィルムの施工方式などをご提案致します。
よって、今回ご紹介させて頂く事例は一例として、全てはケースバイケースであることをご理解頂いた上でご参考頂けますと幸いです。
プロテクションフィルム(PPF)の情報において、「カッターの使用」を言及されるのは、「車体に傷を入れるリスクが0ではないから」です。
また、ハサミよりカッターの方が「使用頻度が高い」のも理由の一つです。
本ブログでは、「カッター」をメインに言及させて頂きますが、「車体に傷を入れるリスク」という面においては「ハサミの使用」も「カッターの使用」と大なり小なりあれど同義であると定義します。
プロテクションフィルム(PPF)施工でカッターを使用する理由
日本のプロテクションフィルム(PPF)施工では、「フィルムを施工するパーツの形に既にカットされたフィルムを施工する」いわばプレカット方式がスタンダードです。
よって、100%プレカット方式でフィルムを施工するのであれば、実質カッターやハサミを必要としません。
ここでのプレカット方式とは、カッターやハサミを一切使用せず施工できる状態のものと定義します。
100%プレカットオンリーの施工は(例外を除き)可能です。
しかし、実際のところはどうかお伝えすると、100%プレカットオンリーの施工は限界があります。
それぞれのプロテクションフィルム(PPF)業者で、施工におけるモットーや目指すクオリティなど異なるため、一概に言えませんが、、、
少なからずザラップでは、我々が目指すクオリティの一台を仕上げるために、カッターの使用は時として必要不可欠であると公言します。
ちなみに、我々が目指すクオリティの一台は、こちらです↓
ザラップが目指す一台
- 「パーツの際」また「フィルムの繋ぎ目の隙間」を可能な限り詰め、最大限塗装を保護している一台
- 糊ずれや異物の混入は極限まで対処し、まるで施工しているか分からないほどの美しい仕上がりの一台
- フィルムのストレスを最小限に、より長期間綺麗な状態で乗って頂けることができる一台
さて、ここで100%プレカットオンリーの施工はどうして限界があるか。
どうしてカッターを使用しなければ出せないクオリティがあるか。
その理由を見ていきましょう!
①バルク方式/半バルク方式を採用するため
プロテクションフィルム(PPF)施工は「プレカット」の他に「バルク」といった施工方式があります。
- プレカット方式•••フィルムを施工するパーツの形に既にカットされたフィルムを施工
- バルク方式•••フィルムを施工するパーツより少し大きめにフィルムを用意し、施工をした後に不要なフィルムをカット
そして!
実はプレカット方式とバルク方式を掛け合わせた「半バルク方式」という方式もあります。
- 半バルク方式•••一部のみプレカットをし、その他はバルク方式で施工
「半バルク方式」は正式名称ではないためあまり語られませんが、施工経験からお伝えすると、当店ザラップではこの「半バルク方式」を非常に多く取り入れています!
さて、突然ですが、(カーラッピングやプロテクションフィルムを含め)一般的にアメリカでのビジネス全般のトレンドやモードは、日本には約3~5年後にやって来ると言われるのをご存知でしょうか。
そういった現状を踏まえ、プロテクションフィルム(PPF)のNOWを見てみましょう!
今ほど日本ではプレカットがスタンダードとお伝えしましたが、プロテクションフィルム(PPF)のパイオニアといわれるアメリカやヨーロッパを見てみると、プレカットとバルクの両者を臨機応変に使いこなしているのが現状です。
海外ではプレカットとバルクのどちらがいいかという議論ではなく、どういった場合にどちらの方式を選択すべきかといった、両者を使い分けることを前提に議論されます。
参照:PPF Installation: Bulk It or Plot-Cut It?
なぜプレカットとバルクの両方を使いこなすのかですが、プレカットとバルクはそれぞれメリットとデメリットが異なり、よって施工状況によって両者を使い分ける方が、施工側だけではなく、お客様にも大きなメリットがあるからと考えます。
以下、プレカットとバルクのメリットとデメリットをまとめます!
ちなみに半バルクですが、プレカットとバルクを掛け合わせているので、両者のメリットとデメリットが該当するとご理解頂ければと思います。
※ケースバイケースのため施工箇所全てに該当するわけではありません。
プレカット | バルク | |
カッターとハサミの使用 | 使用しない | 使用が必須 |
コスト | ■カットデータが既にある場合 — 最小限のフィルムを使用するため、バルクよりコストダウン! | ■カットデータがない場合 — データを作る手間を減らせるため、プレカットよりコストダウン! |
異物の混入や糊ずれ | 位置調整がシビアなため、異物の混入や糊ずれのリスクがバルクより高い | シビアな位置調整がいらない分、異物の混入や糊ずれのリスクが低い |
フィルムの面(つら) | 表面に露出(一部巻き込みも有り) | 表面に露出していない(角など一部露出有り) |
カットの精度 | プロッターがカットするため細かいカットも精密で綺麗 | 直線以外のカット(例えば円形など)が苦手 |
フィルムのメンテナンス性 | フィルムの面が多く見えるため、フィルム断面が目立ちやすい | フィルムは可能な限り巻き込んで施工されているため、フィルム断面の汚れが目立ちにくい |
言葉だけでは分かりづらいので、、、
プレカット方式よりバルク方式の方がメリットが多い一例を図解してみます!
車にはフロントバンパーとフロントフェンダー、リアフェンダーとリアバンパーといったように、「パーツとパーツが繋がる境界部分」があります。
そして、こういったパーツの間には必ず隙間がありますが、実はこの隙間がフィルムの施工において大きなポイントになります。
まず、もしプレカット方式を採用したとすると、パーツの際の手前までしか施工できないため、フィルムの面が車体から見た時に露出しています。
ということは、、、
このフィルムの面にゴミがつきやすくなることを意味します。
一方で、これがもしバルク方式で施工したらどうでしょうか。
バルク方式の場合は、プレカットのようにフィルムがパーツの形に事前にカットされているわけではないため、隙間の間までフィルムを(少し)押し込むことができます。
そして、フィルムを(少し)押し込んだ後に、フィルムをカッターでカットします。
よって、フィルムの断面はパーツの中に入る=フィルムの断面は車体の表面に露出していないので、車体を見るとフィルムの断面が見えず、よって長期的に見るとフィルムをより綺麗に保ち続けることができます!
一点注釈ですが、、、
フィルムの面(断面)は過度にゴミが溜まりやすく、とても気になってしまうということではありません。
もしそうだとしたら、プロテクションフィルム(PPF)施工自体が否定されるものになってしまいます(苦笑)。
過度にゴミが溜まるというわけではありませんが、長期的に見た場合フィルムの断面が露出しているのとしていないのとでは、やはり見た目に差が生じます。
では次に、「半バルク方式」の例としてボンネットを見てみましょう!
ボンネット上部にある角は尖っており、厚みのあるプロテクションフィルム(PPF)では、ここの部分をぐるりと巻き込むことが困難です。
しかし、このように尖った先をカッターで綺麗にカットするのも至難の技、、、
ということで、この角の部分を事前にプレカットし、施工の際はこのカット部分を基点に位置調整→残りはバルクで施工します。
プレカットとバルクのいいとこ取りというわけです!
上は一例に過ぎませんが、このように同じ箇所にプロテクションフィルム(PPF)を施工するといっても、プレカットよりバルクの方がメリットが多い場合は往々にしてあります。
「100%プレカットしかしません」「カッターを一切使用しません」という業者もあるかと思いますが、その場合カッターが必須となるバルク方式は採用できないため、プレカット方式一択になってしまいます、、、
お客様にとってbetterな施工方法があるのに、その方法を選択…以前にご提案しないことは、やはり勿体無いことです…!
②見た目やメンテナンスの面でよりメリットが大きいから
上で見たバルク方式の内容を包括することになりますが、、、
なぜカッターを使用するバルクもしくは半バルク方式を採用する場合が往々としてあるかですが、詰まるところその方がメリットが大きいからです!
このメリットですが、何も施工性だけのメリットではなく、お客様のメリットを指します!
先ほどバルクでは「フィルムの断面が露出せず、長期的に見てより綺麗な状態で車を保持できる」メリットを見てきましたため、今度は「見た目」について深掘りしてみたいと思います。
クオリティは「見た目」や「メンテナンス性」などから総合的に決まるため、「見た目」はクオリティを上げるために切っても切り離せない関係にあるといえます。
さて、この「見た目」ですが、もう少し詳しく見ると↓
- 「パーツの際」また「フィルムの繋ぎ目の隙間」を可能な限り詰める
- 可能な限り車体にフィルムの面を露出させず、フィルムを貼っているかいないか分からない美しい仕上がり
- 「糊ずれ」や「異物の混入」を極限まで少なくする
となります。
文頭で見た「ザラップが目指す一台」の方針をもう少し噛み砕いた内容です。
ここで着目して頂きたいのは、「糊ずれ」です。
同業者さんからは「その話はしないでー!w」という心の声が聞こえてきそうですが(笑)、実は全世界の施工スタッフの大きな悩みの種がこの「糊ずれ」です。
プロテクションフィルム(PPF)施工は、ざっくりまとめると以下の順で進められます。
- フィルムの糊面と車体に専用のゲルをうつ
- そのゲルをクッション代わりに位置調整
- 位置が確定した後にゲルをスキージーで押し出してフィルムを止める
そこで、フィルムを貼った箇所(=ゲルを既に押し出した箇所)とこれからフィルムを貼る箇所(=ゲルがまだ入っている箇所)とのフィルムの境界線がストップラインとなりますが、このストップラインこそが、後に糊ずれとなって残ってしまう可能性がある点です。
なぜなら、プロテクションフィルム(PPF)施工ではフィルムに熱を与え伸ばしながら施工するため、場合によってはストップラインにぐっと不可がかかり、このストップラインの糊がずれてしまうからです。
フィルム全体が伸びるのであれば糊ずれは生じません。
ある一点に局所的にフィルムが伸びるため、その部分の糊がずれてしまうというカラクリです。
一気に全面のゲルを押し出せればいいのですが、特にプレカットの場合だと、繊細な位置調整をしながら貼り進めていくため、よってこのストップラインが多くできてしまうという避けられない運命にあります。
一方で!
バルクだと、基本的にフィルムを貼る箇所の外側でフィルムを仮止めし、そして施工後はこの仮止めした箇所(=ストップライン箇所)のフィルムを切り落としてしまうため、結果糊ずれが生じにくくなるというわけです。
糊ずれはある意味で避け難いものであるからこそ、糊ずれをどこまで許容するかどうかは業者のノウハウや考え方次第、つまりは業者次第ということです!
そして、これまでたくさんの施工車両を見てきて言えることですが、糊ずれの具合は恐ろしいほどピンキリです。
この「糊ずれ問題」ですが、プロテクションフィルム(PPF)に限ったことではなく、カーラッピングでも同様に起こります。
だからこそ!!
当店ザラップは日頃から「糊ずれ」の対処を数多く研究しており、培ったノウハウがあります!
「糊ずれやゴミの混入がほぼなく、ザラップさんの仕上がりは都内でトップクラスですね!」と、とても嬉しいお言葉を同業者様に言って頂いたことがあります。
このように高い評価を頂けるのも、貪欲に糊ずれ問題に奮闘してきたからだと自負しております。
後に「異物混入」に関して見ていくわけですが、「異物混入」は物理的にある程度予防ならび対処しやすいのに対し、「糊ずれ」の回避はノウハウと経験値に非常に依存します。
事実、「異物混入」について言及してる業者は多いですが、シビアな課題である「糊ずれ」に関しては多くを言及したがりません。
しかし、より美しい「見た目」の一台を目指す時、どれだけ「糊ずれ」が少ないか判断することは非常に重要です。
なぜなら、「糊ずれ」が多い車と少ない車とでは、見た目の美しさが天地の差だからです!
繰り返し、「糊ずれ」を常に完全0にすることは、非常に厳しい現状です。
だからこそ、我々ザラップは糊ずれがしやすい箇所はバルクや半バルク方式を採用することで「糊ずれ」を最大限に軽減し、お客様により綺麗な一台をご提供できるよう努めています!
では次に、「異物混入」についても解説していきます。
ここでいう異物とは「埃」「塵」「砂」「石」「(服などの)繊維」などを指します。
基本的にプロテクションフィルム(PPF)は透明のため、こういった異物が車体とフィルムの間に入ってしまうと異物が見えた状態になってしまいます。
よって、プロテクションフィルム(PPF)業者はいかに異物を混入させずに施工するか奮闘するわけです。
「異物混入」を最小限に下げるための対策はあります。
例えば、施工員の服装や施工環境の設備を最適化することは、異物混入のリスクを大幅に下げます。
これはそれぞれの業者で対策が異なると思いますが、ザラップでは以下のような対策をしています↓
- 施工員は異物を呼びにくい&付着しづらい決められた服装を着用
- 温度・湿度を管理することにより、静電気を抑制
- 「糊ずれ」や「異物の混入」を早期発見できる照明環境
一点注釈ですが、これらが全て対策されていないといけないというわけでは決してありません。
他社でこれらの対策が取られていなくとも、そこを問題視するつもりはありません。
これらはあくまでも一例に過ぎないからです。
詰まるところ「完成する車両に異物混入が極限まで少なければいい」わけです。
結果が全てです!
「この服装でなくてはいけない」「この設備でないといけない」というわけでは決してないわけです。
例えば、海外の施工動画を見ると、Tシャツ姿で(普通の)ガレージで施工している様子が多く見受けられますが、それでもクオリティが出せれば◎というわけです。
逆に、クリーンルームのような部屋で万全の設備が整っていても、異物混入が多ければ×なわけです。
さて、経験からお伝えすると、上でご紹介したような対策をしっかり徹底すれば、空気中に漂う異物問題はほぼ解決できるため、そこまで神経質になる問題ではありません。
しかし、問題なのは空気中の異物よりか、車体から出てくる異物です。
残念ながら「糊ずれ」同様に「異物混入」も0にすることはできません。
なぜなら、車体自体の隙間などに砂やゴム片といった異物が無数に付着しているからです。
なので、混入してしまった場合はフィルムを貼替えるなどして解決する必要があります。
カッターの使用を危険視する方は、「カッターを使用することによって車体に傷が入るリスクが0ではない」というデメリットを指摘しています。
しかしながら、そういった情報が語られる時、カッターを使用する際のメリットは全く語られていません。
少なからず、自身がこれまで見た「プロテクションフィルム(PPF)施工におけるカッターの使用」に関する情報で、デメリットとメリットをきちんと説明している情報は見たことがありません…。
当店ザラップは、メリットとデメリットの双方をお客様にきちんとご説明させて頂き、ご納得頂いた上で施工の方針を定めます。
「いいことだけ」「悪いことだけ」を伝えるのは、説明としては不十分です。
お客様にとってより大きなメリットをご提供するために、その車そしてその施工箇所によって都度ベストな施工方式は変わります!
総合的に評価して、臨機応変に施工方式を採用する、これがザラップのスタンダートです。
③場合によってはコストダウン
「『プロテクションフィルムの情報を全て鵜呑みにすべきでない』理由」のブログにて、必要最小限のフィルムを使うプレカットに対し、バルクはフィルムを大きく使うため、プレカットの方がコストダウンできる点をお伝えさせて頂きました。
「プロテクションフィルムの情報を全て鵜呑みにすべきでない」理由
しかし、これはカットシステム上にカットデータが存在することが前提です!
プロテクションフィルム(PPF)業者はカットシステムを使用し、カットデータを抽出しています。
これまでも口を酸っぱくするほどお伝えさせて頂きましたが、使用料金さえ支払えば誰でも簡単にカットシステムを使うことができるため、カットシステムを使うこと自体は何ら凄いことではありません。
そしてこのカットシステムですが、色々なメーカーから販売されていますが、ほとんどのプロテクションフィルム(PPF)施工店は海外製のものを使用しています。
というのも、単純に海外製の方がユーザーが多く、よりカットデータが豊富だからです。
さて、ここでカットデータですが、実は全てのパーツにおいて完璧なカットデータが揃っているわけではありません。
その例として、同じ車両でも海外と日本では一部のデザインが異なっていたり、そもそも同モデルが存在しなかったりすることが挙げられます。
つまり、カットデータにそもそもカットデータがない場合や、あったとしても型が別物で使えない場合があるということです。
ちなみに、車外パーツを付けている車やカスタムしている車もカットデータはありません。
例えば、SUZUKIのジムニーシエラですが、ミラーが海外のモデルとは異なっており、カットシステムにあるカットデータは使えなかったため、型取りをして一からデータを作りました↓
使えるカットデータがない場合、どのような対応を取るかは業者次第です。
実話ですが、、、
他店で施工されたお客様が「フィルムのメンテナンスをして欲しい」と当店にご相談にいらっしゃったことがありましたが、その車両を確認すると、一部では不要なカットが入った状態のままフィルムが施工されてました。
恐らくですが、海外と日本でその部分のデザインが異なっており、カットシステムからただ抽出したカットデータを修正せず使ったことが要因かと思います。
このように、例え型があってなくても無理くり施工をしてしまう業者もあるようですが、当店ザラップはそういった妥協は許されません、、、!
こういった場合は、基本的に型取りをしてカットデータを一から作ります。
そこで、パーツによっては100%プレカットのカットデータを作ろうと思うと、非常に時間がかかる場合があります。
(これこそが、使用料を支払ってでもプロテクションフィルム(PPF)業者がカットシステムを導入したい理由ですね!)
しかーし!
100%プレカットデータを作るには非常に時間がかかる場合でも、半バルクでは時間をうんと短縮できる場合が往々にしてあります!
先が尖ったようなカッターでは綺麗にカットが厳しい部分のみプレカットのデータを作り、あとは半バルクで施工することによって、時間短縮=コストダウンができるということです!
カッターを使用することは本当に危険であるか
先ほどプレカット方式とバルク方式の違いをまとめた表にて、「カッターとハサミの使用」に関しこのようにまとめていました↓
プレカット | バルク | 半バルク | |
カッターとハサミの使用 | 使用しない | 使用が必須 | 使用が必須 |
お気づきの通り、バルクと半バルクでは「使用が必須」と記載させて頂きましたが、「使用が必須」とネガティブな表記をさせて頂いておりません。
なぜ当店ザラップではカッターを使用することを危険視していないか、その理由を詳しくご説明させて頂きます!
①カッターの刃を直接車体に当てない
カッターを使用するということは、ガガガガーと爪を立てて傷付けるような印象があるかも知れません(笑)。
しかし、そもそもですが、多くのケースでカッターの刃は車体に直接当てません!
例えば、ボンネットをバルク方式で施工する場合、フィルムを施工した後に余分なフィルムをカットします。
しかしこの際、ボンネットの裏にフィルムを約1cm巻き込むため、フィルムは宙に浮いた状態で約1cmの幅でカットします。
ここでお気づきの通り、カッターを使用しているとはいえ、車体にカッターの刃を当てていません。
また、先ほど見た断面図ですが、バルク式ではどうやってカッターでカットされるかというと、こういった図になります↓
つまり、フィルムがパーツとパーツの隙間で浮いた状態でカット=カッターの刃は車体に当たりません。
上の図を見ると「手ブレをしたら、カッターの先が車体にあたりそうですね、、、!」と鋭いツッコミがありそうですが、ご安心下さい!
我々が使用するカッターは施工に適応された特別なカッターで、隙間に上手く収まる設計となっており、よって物理的にカッターの刃が逸れない作りになっています!
※上の図はあくまでも分かりやすいように図示しています。
②カッターに熟練した施工員のみがカッターを使用します
そもそもここで、ハサミとカッターの違いを簡単にまとめたいと思います。
ハサミとカッターの大きな違いは、ハサミは2つの刃が交差することで物をカットし、カッターは固定された刃を当てることで物をカットする点です。
このごくごく当たり前の違いが、プロテクションフィルム(PPF)ならびカーラッピング施工において、大きな違いを生みます!
ここでも表で見ていきます↓
特に太字の青色で示した箇所が、フィルムの施工で大きなアドバンテージとなります!
ハサミ | カッター | |
---|---|---|
①刃の形 | 曲線状 | 鋭利 |
②厚みがあるものをカット | 簡単 | 力が入る |
③細かいカット | 苦手 | 得意 |
④狭いところにある物をカット | できない | 得意 |
⑤角度を自由に変えながらカット | 苦手 | 得意 |
⑥刃の交換 | できない(研ぐしかない) | 簡単 |
⑦刃の角度を変える | 変えられない | 変えられる |
この表を見ても一目瞭然でありますが、このようにフィルム施工において、ハサミではできず、カッターでしかできない事が非常に多いわけです。
例えば、先ほど見た断面図にあったパーツとパーツの隙間は、細いカッターの刃でしかフィルムをカットできません。
ついでながら「①刃の形」に関してですが、「やはり鋭利なカッターの方が危険に見えます」というご意見が聞こえてきそうですが、「傷が入るデメリットにおいて、ハサミを使用するのもカッターを使用するのも変わらない」と考えます。
というのも、細かい箇所をカットすることに優れたハサミは先が非常に尖っており、ハサミの刃が当たると傷がカッターと同様に入ってしまいます。
人体に刃が当たることでいえば話は全く変わってきますが(苦笑)、フィルムの施工においてハサミもカッターも刃の危険度は大なり小なりあれどそこまで変わらないとわたくしは思います。
さて、前置きが長くなりますが、、、
当店ザラップはプロテクションフィルム(PPF)だけでなくカーラッピングの専門店でもありますが、カーラッピングではカッターが必須中の必須アイテムです。
言い換えるなら、料理人でいう包丁です!
また、カーラッピングフィルムの方が断然薄い=より高度なカッター技術を要します。
当店ザラップでは、カッターの使用に際し、細心の注意を払い、徹底した訓練と経験値があるベテラン施工員が責任を持って使用しています。
「徹底した訓練とは?」ということで、一例をお伝えしたいと思います。
ごく稀にではありますが、車体上でフィルムのカットを余儀なくされることがあります。
そういった時必要になるテクニックに、「ハーフカット」と呼ばれるものがあります。
これは、フィルムの表面にカッターの刃で薄く印を付け、フィルムを割くようにカットします。
イメージでいうと、板チョコです(笑)。
板チョコは割りやすいようにカット部分のチョコが薄くなっており、よって軽く力を与えただけでチョコが綺麗に割れますよね!
フィルムのハーフカットも同じ原理です。
ハーフカットというので、車体までカッターの刃が届きそうなイメージを持ってしまいますが、繰り返しカッターの刃はフィルムの表面に当たるだけなので、車体までは届いていません。
車体までカッターの刃が届いては、ハーフカットと呼ばず、ただのカットです(笑)。
当店の施工員は全てこのハーフカットの徹底訓練をし、テストに合格した者のみが初めてカッターを握れます。
よって、万が一車体上でフィルムのカットを余儀なくされた場合でも、ハーフカットのテクニックを持って、カッターの歯が車体に当たらない対策を徹底しています。
とはいうものの、いくら技術のある施工員がハーフカットするといえ、大原則として可能な限り車体上でのカットは避けます。
このように、当店ザラップでは、カッターの使用に際し責任を持った選択と対応を施工員全員に義務付けています。
だからこそ、カッターの使用自体を危険視するのではなく、どう扱うかにフォーカスしています。
カッターやハサミの使用を危険視することで失う選択肢がある
私自身気になってプロテクションフィルム(PPF)のパイオニアである海外の文献を読み漁ってみたのですが、、、
結論からお伝えすると、日本のようにカッターやハサミを危険視して説明された情報は一切見当たりませんでした。
それよりも、「カッターを使用し様々なカット技術が必要になる」ということ、また「フィルムの扱い方を熟知している必要がある」ということで、プレカットよりバルクの方が総合的により高度な施工技術と経験が必要になると多くの文献で強調されていました。
そういった意味で、施工初心者にはバルクはおすすめしないといいます。
参照:To bulk or not bulk? When to bulk/custom install clear bra
繰り返しになりますが、日本では一部で「プロテクションフィルム(PPF)施工において、カッターを使うことは車体に傷を付ける可能性があり危険である」と伝えられているようですが、全てを一括りに全てを否と見るこの考えこそが、危険ではないでしょうか。
海外の動向からも顕著に見て取れる通り、「プロテクションフィルム(PPF)を貼っているか分からない一台にいかに仕上げるか」が近年注目されています!
これは、日本も同様です!
そこで、プロテクションフィルム(PPF)を貼っているか分からない程度に仕上げるにはどうしたら良いかといいますと、
- フィルムの面が車体に露出しないようにする
- フィルムを可能な限り巻き込む
- 「糊ずれ」や「異物の混入」を最小限にする
ということになります。
つまり!
皆様お気づきの通り、これを達成しようと思うと、バルク式/半バルク式が必須になってくることがお分かり頂けるかと思います。
詰まるところ、、、
どこまでのクオリティを皆様が求められるかによって、カッターの使用が必須か否か答えが変わるわけです。
文頭でお話しした通り、カッターやハサミを一切使用せず、100%オールプレカットも可能です。
しかし、この選択肢を取るということは、つまりフィルムの面が多くなり、見栄えやメンテナンスの面で妥協が必要になるということです。
最終的にどのような施工方法を選ぶかはお客様が何に一番重視されるかの判断に委ねられます。
つまり
「カッターやハサミを使用して、バルクや半バルク方式を採用し、可能な限り美しくメンテナンス性の高い一台を目指す」ことを重視されるか、
それとも
「見栄えやメンテナンスの面で妥協をしたとしても、カッターやハサミを一切使用しない100%オールプレカットを希望」されるか、、、
お客様が何を重要視するかによって、施工方針を定めます。
本ブログでは、カッター使用を公言した上で、そのメリットデメリットをお客様にお伝えさせて頂き、ご納得頂いた上で施工方針を定める重要性をお伝えさせて頂きました。
このように当店ザラップでは、大事な愛車をお預かりさせて頂き、そして安心して施工をご依頼頂くためにも、サービスの透明性を非常に重視しています。
そこで「施工に関するメリットとデメリットのご説明」、「契約書の締結」、そして納車後の「アフター保証を無償で付帯」させて頂き、万全の体制でお客様のカーライフをサポート致しております!
特にこのアフター保証ですが、納車後の初期点検と納車後1年間のアフターケアが含まれます。
納車後はフィルムのメンテナンスが非常に重要となりますが、そういったメンテナンスもしっかり対応させて頂きます!
この保証期間が、業界最長の1年間です!
安心と保証でラッピングしたい方は、是非ザラップにお任せ下さい!
大切な愛車を保護して、ストレスフリーなカーライフを始めましょう!